（市川様）
市川様平成28年4月完成
発想転換で短所を長所に
- 昔は当たり前だった、木が生きて呼吸している「葉枯らし天然乾燥」の木材に包まれて暮らしたい。家づくりの原点はそんな想いでした。
まず、夫婦の希望事項過積載の土地探しの船出は、前途多難でした。
「周囲に木々が多い」「見晴らしと日当たりが良い」「畑仕事ができる」「家の価格が高い分だけ土地が安い」「駅がまあまあ近くて、子供のために学校が近いこと」
夫婦の希望を整理すると、優先順位をつけて、いくつかの希望は諦めるのが普通の流れかと思いますが、我々夫婦は一歩も譲りませんでした。
しかしブレずに探すと、意外なことにバッチリな物件が見つかりました。
宅地と畑付きで激安。しかし土地が安いだけあって何か問題があるだろうということは容易に想像できました。物は試しということで、冷やかし半分で現地を見に行くと、そこには4～5ｍほどの切り立った垂直の崖が、宅地の一部に立ちはだかっていました。しかし上手く工夫すれば何とかなりそうという直感が・・。そして、村上さんと谷中さんに何度も相談して、崖への不安が解消されたことで着工しました。
おそらく他の会社では途中で匙を投げられたのではないでしょうか。そんなに安心したいなら、他の安全な平らな土地を探してください、と。
村上さん・谷中さんがいなければ、この家は絶対に出来なかったと思います。我々夫婦も諦めませんでしたが、村上さんと谷中さんが諦めずに我々夫婦が安心できるプランを一緒に考え続けてくれたからこそ、完成までたどり着くことが出来ました。
そして住み心地は。裸足で歩くと無垢の杉フローリングの肌触りがなんともいえず気持ち良い。湿度があってもベタつかず、木が呼吸していて快適な空気。科学的には分かりませんが、体へのストレスは大分違うのではないかと実感しています。「衣・食・住」のうち、住の大切さに改めて気づかされました。
一方では、柔らかい杉の無垢フローリングは傷がつきやすいと言われていたものの、子供がちょっとプラレールを落としただけでもどんどん傷が付きます。また意外なことにクレヨンを落とすと色が非常に落ち辛いということがあります。ということで、引っ越し当初は精神衛生上大変よろしくない時期がありました。4か月経った今はもう諦めていますが。
総合して考えると、傷の心配よりも気持ち良いというほうが大きく、このフローリングにして良かったと思います。はい。強がりにしか聞こえませんね。でも本当に気持ちいいです。古からの木材乾燥方法の「葉枯らし天然乾燥」の木は、本当に持っているエネルギーやオーラが一味違うように私には感じられます。
それから軒天の木も「葉枯らし天然乾燥の天竜杉」。カビないという実験結果を私は信じていましたが、半信半疑だった谷中さんも、ビックリのカビなさだと言っていたのが印象的なことでした。
とにもかくにも、問題ある土地での問題のある施主の建築に、共に果敢に挑んで頂きまして、村上さん・谷中さん、ありがとうございました！
